サステイナブルとかSDGsとかよく耳にするようになりました。カタカナの言葉はわかりづらいけれど、好きなものと関連させるなら少しわかるかもしれない。そこで、コーヒーでいう「サステイナブルコーヒー」とはどんなものなのかを知っていきたい思います。
サステイナブルは、「持続可能な」という意味。
持続可能なコーヒー、とは?
熱帯植物であるコーヒーの木は、赤道近くの暖かい地域で育ちます。干ばつや霜など気候に大きく左右され、安定した生産が難しい作物です。近ごろの地球の気候変動により、サビ病などの対応もとても大変です。コーヒーの実を収穫する段階では、特に人手とコストがかかりますし、コーヒーチェリーという赤い果実から、種子を取り出し生豆に加工する段階では、たくさんの水や、エネルギーを使います。さらに、コーヒーチェリーから取り除かれた果皮などの廃棄物、精選で使った排水や、粘質を取るために使った汚染水が出るので、生産者たちは、コーヒーの木を育てるだけでなく、自然を守るために、汚染水の浄化や、使う水の量を減らすなどの努力もしています。
このようにコーヒーの木を植え、育て、収穫し、精選の過程までを担うのが、生産地である開発途上国。焙煎し、主に消費するのが、先進国です。コーヒーは作る場所と飲む場所が遠く離れているため、私たちはあまり生産地のことをイメージすることができません。同じように生産地の方でも、収穫したコーヒーにどのような価値がつき、飲まれ方をしているのかわからない場合も多いそうです。
「持続可能なコーヒー」に話を戻します。
コーヒーに関わるみんなにとって、どういう形が喜びといえるのか。例として
消費者が美味しいコーヒーを飲み続けられる。コーヒーのある時間を楽しめる。
生産者が誇りを持ってコーヒーを作り続けられる。社会保障が充実したり、安心して生活をすることができる。
コーヒーを栽培したり、飲んだりすることで、自然を壊さないよう、動物や植物と共生し続けていくことができる。
次の世代の人たちが、今と変わらず美味しいコーヒーを飲み続けることができる。
SDGs( Sustainable Development Goals)は、それを続けていくための目標を定めたものですが、立場の違う人や、自然の生き物たちと、どこで折り合いをつけるかという、いわば妥協点です。
カップ一杯のコーヒーにどれくらいエネルギーや手間暇がかかっているのか。生産者はそれに見合った報酬を受け取れているのか。そのコーヒーの価値や背景を知らなければ、安さやパッケージでしか、コーヒーを選ぶ基準はなくなってしまいます。私たちがそのような基準で選び続けていると、その需要に応え、生産地でも品質より低価格で大量に生産できるコーヒーを作ることになります。あまりに得られる収入が少ないと、他の作物に転作するなど、コーヒー農園をやめてしまう場合もあります。
農園の中には、渡り鳥や虫など、自然との共生を考えたり、子供たちや女性の勉強の機会を大切にしているところもあります。アヘンの元であるケシの栽培をしていた生産者を立て直すため、国が主体となったプロジェクトで、コーヒー栽培に転作した農園もあります。色々な農園を知るのは面白いです。さまざまな農園が信念を持ち、行動を続けていくことは、とても大変で、同時にやり甲斐のあることなのではないかな、と思います。生産者と消費者、お互いのことを知るのも第一歩ではないでしょうか。
私たちが美味しいコーヒーを次の世代まで届け、飲み続けるためにできること。
10月1日はコーヒーの日です。まずは目の前のコーヒーを美味しい!と一息。その次に、これからのコーヒーのことを少し考えてみるのもいいかもしれません。
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