コーヒーを飲むずっと前から一緒にいた友人たち。
部活の帰りにバナナを食べていたのを見られて先生に怒られて、その次の日は大声でSMAPを歌っていたら先輩に近所迷惑だと怒られた。
学校から家まで遠くて、なにがそんなに面白かったのかわからないけど、笑い転げて立てなくなって、帰りはさらに遅くなった。最後の二人になるとちょっと秘密の話になり、分かれ道で一時間以上語り合ったこともあった。
地元の神社の秋祭りでは、こぞってチキンステーキの屋台に列んだ。変なポーズで「写ルンです」という使い捨てカメラで写真を撮った。私を含め、そのうち何人かはオーバーオールを着ている。
家に集まって好きな曲をかけ、ただ寝ている人がいたり、マンガを読んだり。帰るまでほとんど会話もしないで、思い思いに過ごした空間は心地がよかった。
自転車の荷台に立ち乗りをして、集団で床屋に髪を切りに行った。床屋のおばちゃんにしてみたら、わいわいがやがや、保育園児のようだったと思う。
ナントカ流星群の夜には、みんなで晩ごはんを作り、分量無視で水を入れすぎた薄いカレーができた。夜中に屋根の上で見た流れ星は綺麗だった。つま先をめちゃめちゃ蚊にやられた。
けんかはたまにしたけど、仲間外れや、グループ内が真っ二つに分かれるようなことがほとんどなかったのは、お互い性格も好きなものも違いすぎて、その違うということを大事にしていたからだと思う。ゆるっとしているようで、人のテリトリーまで立ち入りすぎないような、そんな人たちだった。
住む場所もはなれて、最近はなかなか会えていない。それでもつかずはなれず、何十年もやってきたから、今は大きな流れの中のそういう時期なんだと思っている。
心も体も一緒に成長した日々は愛おしい。ダサいこともたくさんしたけど楽しかった。恋もしていたけど、私の成長に必要だったのはこの友人たちだろう。
歳を取ったら、みんなで一緒に老人ホームに入ろうと約束した。そのためのブタの貯金箱はどこへ行ったかな。いや、ふざけ半分に探し回って、結局買わなかったんだっけ。
またいつか集まったら、コーヒーなんか飲まなくていいから、近況なんて話さなくていいから、ファンタを飲んでポテチのカスをまき散らして、だらっとした時間を一緒に過ごしたい。
はなれていても、おばあちゃんになるまで、一緒に歳を重ねたい。
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Chihiro Taiami