豆を選ぶときや、お店でコーヒーを飲むとき。
コーヒーは香りの飲み物と言われていますが、茶色い豆になる前の、生豆の段階では味も匂いもありません。焙煎という、熱を加える段階を経て、ようやくあの脳みそを刺激する香ばしい香りが出てきます。
生豆にどの程度熱を加えるかによって、コーヒー豆の色や味も変わります。加熱の程度を表す目安として、日本では浅煎りから順にライトロースト、シナモンロースト、ミディアムロースト、ハイロースト、シティロースト、フルシティロースト、フレンチロースト、イタリアンローストと区別されます。
焙煎の時間が長くなるほど深煎りになっていき、色は黒く、味は酸味が弱まり苦みが強くなっていきます。なので、苦みの度合いで豆を選ぶ時は、この「焙煎度」が目安になります。
ただローストの呼び方は、そのお店の焙煎士が豆の色を見て「これだ!!」と決めているので、あるお店のシティローストが、別のお店のフレンチローストよりも深煎りということもあります。
またローストだけでなく使う粉の量や、豆の挽き方、器具、お湯の温度などでも、濃い・スッキリなど変わります。
それでは産地によってはどんな違いがあるのでしょう?
例えばブラジルは300年のコーヒー栽培の歴史をもち、世界でトップのコーヒー生産・輸出国です。品種も高品質のものから、病害に強いものまで幅広くあります。多少の苦味と香りが特徴で、丸みをもった味は、よくブレンドのベースとして使われます。
コロンビアは、ほとんどが標高1000メートル以上の山の急斜面で栽培されており、小規模農園ながらも、他のコーヒー生産国のモデル国です。マイルドですっきりした飲み口、適度な酸味があり、風味はチョコレートやフルーツティに例えられます。
グアテマラは火山が多く、有機質に恵まれた火山灰土壌や、水質豊富なカルデラ湖が多くあり、世界のコーヒー栽培の宝庫と言われています。場所によって少しずつ違った風味があり、特に酸味は上品ですっきりしているものから、厳しいまでに力強いものまであります。スモーキー、スパイシー、花の香り、時にはチョコレートの香りなどのニュアンスに例えられるものもあります。
コロンビア、グアテマラもともに300年近い栽培歴史を持ちます。
産地は国の名前だけでなく、港(例・モカ)や山(例・キリマンジャロ、アンデス)などの名前がついているものもあります。ロースト、産地、どちらも豆の名前に使われていることが多いので、参考にしてみてくださいね!
-11-
chai