少しずつ、夜は涼しくなってきました。
今年の十五夜は9月10日、もうすぐですね。
ということで、月とコーヒーが出てくるアポロ13号のエピソードを一つ。
1970年4月13日、アメリカ合衆国、三度目の有人月飛行。
月面着陸を目指していたアポロ13号の酸素タンクに突然破裂が生じました。
事故によりミッション中止を余儀なくされたアポロ13号ですが、宇宙の旅は危機的事態。飛行士たちは深刻な電力と水不足に見舞われました。
少しでも長くエネルギーを保って無事地球に戻るため、電気は切られ、船内は氷点下近くに。
ヒューストンのすべてのスタッフとアポロ13号の乗組員は、可能な限りの手を打ちました。
乗組員が、極度の寒さと不安で戦う中、ヒューストンからは繰り返し、次のようなメッセージが送られたそうです。
「こちらヒューストン。がんばれ乗組員の諸君!
君たちは今、熱いコーヒーへの道を歩いているのだ!」
結果、 数多くの危機的状況を乗り越え、乗組員全員が無事地球に帰ってくることができました。
全員が帰還できたこの対応の鮮やかさに、
「成功した失敗 (“successful failure”)」「栄光ある失敗」と称えられたそうです。
地球から遠く離れた宇宙の緊急事態という、おそらくこれ以上ない非日常。
コーヒーのある日常までもう少しだというメッセージは、乗組員たちの心を励ましたことでしょう。
コーヒーはいつでも平穏な日常の象徴ですね。
アポロが目指した月を眺めながら、今年の十五夜はお団子とコーヒーで過ごしてみてはいかがでしょうか?
参考:全日本コーヒー協会
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