Coffee Column
コーヒーコラム
ブラウンブックスカフェのコーヒーにまつわる日々のコラム

Yoko Hoshikawa
ブラウンブックスカフェ/ブラウンブックスヴィンテージ店主。
コーヒーとHip Hop を愛する2児の母。札幌在住。
Chihiro Taiami
妖怪が大好きな円山店時代の元スタッフ。
4人の子供の育児の合間に当店のコラムを担当している。道南在住。

カテゴリー: coffee column

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    カフェという場所ー17世紀イギリスの場合
  • date
    2022年03月03日

今では街のいたるところにあるカフェや喫茶店。皆さんはどんな目的で行くことが多いでしょうか?

17世紀にヨーロッパに伝わったコーヒーは当初、貴族たちが楽しむなど一般的ではありませんでしたが、コーヒーハウスやカフェが登場すると市民階級にも広がり、身近な飲み物になっていきます。

今では紅茶のイメージが強いイギリスも、17世紀は実はコーヒーの国。ヨーロッパで最初にコーヒーハウスの流行を迎えたコーヒー先進国でした。市民たちは政治の話をしたり世間話をしたりする交流の場としてコーヒーハウスをフル活用。

それまで人々が集まる場といえば居酒屋、宿屋など酒を飲ませる店ばかりで、真面目に話していても最後はみんなで酔い潰れていましたが、コーヒーハウスの出現で、シラフどころが飲めば飲むほど頭がスッキリして語り合えるようになりました。一見さんでも常連でも、貧富の差も関係なく入店でき、入場料を先に払って、コーヒーはその都度カウンターにいるおかみさんに頼む方式が一般的。値段も安く、一度入ればさまざまな会話に参加可能で、コーヒー一杯でなんでも学べると評判でした。

その後、立地や店ごとに発展し、仲買人の商談の場になったり、海運交易の保険業が始まったり、コーヒーハウスで得た情報を元に新聞を作り、それをコーヒーハウスのカウンターに置いてもらい多くの読者を得るというスタイルも生まれました。

妻たちが「コーヒーは出生率を低下させる」と抗議のパンフレットを配るほど、男たちは経済、政治、ジャーナリズムの談義に酔い、入り浸り、熱く語り合いました。

今回は17世紀から18世紀のイギリスの「コーヒーハウス」を見てみました。

コーヒーハウス、カフェ、カフェー、喫茶店、珈琲店など、時代や国によっても呼ばれ方は様々。女子禁制だったり、会員制だったり、スタイルも様々。

でも、変わらないのはコーヒーはいつも主役ではなく、さりげないお供です。それでいて静にも動にも力を発揮する手助けをしてくれるという絶妙なポジションが、カフェという場で、コーヒーが求め続けられる理由なのではないかなと思います。

あなたにとってカフェとは?

さぁ明日はどんなカフェに行こう。

参考:「珈琲の世界史」丹部幸博

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chai

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    屋根裏にコーヒーのにおいは流れる
  • date
    2022年02月18日

きしむ階段を3階まで登ると、店内のところどころではらくがきねずみたちがお出迎え。

開店し、コーヒーのにおいが染みつくまでに半年がかかったといいます。

ここで過ごした十年間はどんなだったでしょうか?

まるで屋根裏部屋のような本棚に柱、ぼんやりとした照明、古い本や雑貨たち。ほっとしたり、いいアイディアが浮かんだり、友人との他愛ないおしゃべりに癒されたり。コーヒーのにおいと共に、ひとときをこの空間で過ごした人たちが、またそれぞれの日常に帰っていきました。

一から作る大変さ、続けていく大変さを喜びに変えてくれるパワーは、かけがえのない日常の中でふとこのお店を思い出し、足を運んでくださるお客様に他なりません。

どこでも、新しい場所でも、何度でも。

コーヒーへの愛と、夢を追う気持ちは一緒です。

次はどんなわくわくが待っているのかな?

店主とスタッフの汗と涙と鼻水を綺麗に拭ってから笑顔でお迎えします。新店舗開店まであと少し、どうぞ楽しみにお待ちください。

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chai