Coffee Column
コーヒーコラム
ブラウンブックスカフェのコーヒーにまつわる日々のコラム

Yoko Hoshikawa
ブラウンブックスカフェ/ブラウンブックスヴィンテージ店主。
コーヒーとHip Hop を愛する2児の母。札幌在住。
Chihiro Taiami
妖怪が大好きな円山店時代の元スタッフ。
4人の子供の育児の合間に当店のコラムを担当している。道南在住。

カテゴリー: coffee column

  • title
    coffee cup
  • date
    2022年12月07日

クリスマスが近づき、贈り物を考える楽しい時間がやってきました。

コーヒー好きの方に贈りたいもの、いやいや自分が欲しいもの。

クリスマスブレンドなどの豆、コーヒーミルなどの器具、いろいろありますが、手頃で種類も多く、選ぶ楽しみもあるコーヒーカップはいかがでしょうか?

有名メーカーのカップから100均まで、見ているとワクワクしてしまいますね。

コーヒーカップのサイズにも実はいろいろなものがあり、

スタンダードなカップで120〜140cc、

デミタスでその半分、

モーニングで160〜180cc、

さらに大きなものでマグカップが180〜210cc

またカフェオレボウルというものがあり、これはフランスで朝食時にカフェオレを入れ、パンをひたして食べるのに使われています。大きなお椀のような形をしていて、コーヒーはもちろんスープやサラダを入れて使うこともできます。ビンテージなどおしゃれなデザインのものも多く、小物入れや飾りにすることもできます。

またコーヒーカップは、素材も種類が豊富です。

ホーロー、ガラス、ステンレスなどいろいろありますが、中でもよく使われるのが陶器と磁器。

名前は似ていますが、陶器は粘土を原料に1000〜1200度に焼き上げたもので、少し厚みがあり、ザラザラしています。焼いた後の表面は鉄分などによって色がつくので、その土地の焼きものの個性にもなっています。

それに対し磁器は、磁土という鉄分の少ない、白く純粋な粘土に長石や石英を加え、1200〜1500度の高温で焼きあげます。色は白く、触り心地はツルツル。叩くとチンッと澄んだ音がします。

カップの縁の厚さや形でも、コーヒーの味わい方が変わってきます。

陶器のような厚手でざらっとした舌触りのものは苦味を感じやすく、磁器やガラスなどの滑らかなものは酸味や甘みを感じやすくなります。

縁の形で言うと、真っ直ぐのものは、苦味を感じやすい舌の奥に直接流れ込むため、深煎りのコーヒーに向いており、縁の広いものは全体に広がり、酸味を感じやすくなるため浅煎りのコーヒー向きです。好みのコーヒーの味で使い分けることもおすすめです。

ちなみに今年、尊敬する仕事仲間からお揃いだとガラスのマグカップをプレゼントしてもらい、飲むたびにその人のことを思い出しています。

真似をして友人にも、普段は買わないようなクリスマスホリデーのカップを買い、送ってみました。なかなか会えないけれど、それでコーヒーを飲むと、あっちは今何しているかな〜と楽しい気分になります。

贈り方いろいろ、選び方いろいろ。

まだまだ始まったばかりの冬に、お家でホッとできるコーヒーカップはいかがでしょうか。

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taiami

  • title
    ザガズー じんせいってびっくりつづき
  • date
    2022年11月20日

この本を読みながらコーヒーをのみたい!と久々に思いました。

「ザガズー」という絵本です。

イギリスの児童文学作家、クェンティン・ブレイク作、翻訳は谷川俊太郎。

あるところにしあわせなふたりがいました。そのふたりのもとに、ある日こづつみが届きます。中を開けてみると、入っていたのは「ザガズー」と名札のついた、ちっちゃなピンク色のいきもの。

ふたりはそれをほうりっこして素晴らしい毎日をすごします。

でも、そのピンク色のいきものは成長するにしたがってさまざまなものに姿を変えていきます。例えばはげたか、ぞう、イボイノシシに、りゅう。ふたりはどうしたらいいのか困ったり、掃除道具を持ってあとを追いかけたり。

素敵な絵と、簡潔でテンポのよいおしゃれな文章。

そして最高のオチ!

こんな豊かでユーモア溢れる目で人生を捉えることができたら、小さなことにくよくよせず、些細なことにも楽しみをみつけれられるでしょう。時間の流れの中で、強いものが弱くなり、弱いものが強くなっていく。あるものは成長し、あるものは老いていく。助けているつもりが、いつのまにか助けられている。長い目でみると平等で、シーソーのように、もちつもたれつ、順番こ。

谷川俊太郎のまえがきを少し引用します。

「大人は自分のうちにひそむ子どもを、ともすれば忘れがちです。うちなる子どもを認めるのがこわいからです。まだ人間になりきれない、不思議な生きもの、そこにこそ子どもの成長のエネルギーがひそんでいるのではないでしょうか。

ー中略ー

大人は老いるにつれて子どもに戻っていきます。今度は大人になった子どもが、子どもに戻った大人とともに生きていくのです。それがまた新しい苦労(と喜び)の始まりだということも、ブレイクは暗示しています」

気持ちを切り替えてちょっと違う角度からものごとをみたい時。頭がふわっと軽くなって、少し上空から時間をみわたせるような、そんな一冊です。

コーヒーをお供にぜひどうぞ!

「ザガズー じんせいってびっくりつづき」

クェンティンブレイク・作 谷川俊太郎・訳

好学社

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Taiami