師走の忙しい時期にゆっくりこのコラムを読んでいる人も少ないのではないかと勝手気ままに書きはじめています。
私は十年前にBBCで働いていました。今は家で小さな子供達との時間を過ごしています。
「洗濯も掃除も何にもしなくていいから、子供が危なくないように目を離さないでしっかり見てなさい」という祖母の教えどおり、子供一色の毎日です。とにかく家事以外は子供と遊びまくりの日々です。
BBCで働いていた頃は仕事をやめてずっと家にいるなんて考えられませんでした。仕事が大好きだったから。
でも子供が産まれてみるとめちゃめちゃ可愛くて、そして育児は仕事と同じように、日々ワクワクとヘトヘトと変化の連続で、自分の時間のなさは仕事以上。(大変さを比べる話ではないけれど)
スマホで調べものをしたり、トイレでぼーっとするたった十分の時間もないし、一服しようと淹れたコーヒーはほとんどがそのまま放置され冷めていきます。それを埋めるのは「お母さん見て」「お母さん聞いて」「お母さん遊ぼう」の声。
ゆとりのある時はいいけれど、余裕がないと怒ってしまったり、「早くしなさーい!」「着替えなさーい!」急がせてしまいゴメンナサイ。
そう怒鳴る自分は朝の支度をしながらまだパジャマ姿だったりして、説得力ゼロ。
自分の時間がほしい、という気持ちは子供がひとり増える度に消えていきました。どんどん大きくなる彼らとの時間は、先の自分が振り返るときっとあっという間で、ひとりの時間なんてこの先いくらでもあるんだと。
休憩時間は十分とれれば充分。傍らにコーヒーがあるなら満充電です。
BBCで働いていた頃の、仕事の動線や在庫確認、優先順位、スタッフの仕事分担、お客さまの気持ちの考え方などは、家事動線や子供のお手伝いの分担などにそのまま大いに役立っていて、形は変われど同じ「仕事」として全く変わりません。
あの時から十年分、歳を重ねました。
住む場所や環境も変わりました。
相変わらずお金もないです。
でも、BBCにいた頃と同じように、目の前の大切なものに馬鹿正直に向き合っていられるのは、とても幸せなことです。
冷めたコーヒーは、今を表す愛おしいコーヒー。
とにかく私はコーヒーが大好きです!BBCが大好きです!
来年もいい年になりますよう!これからも変化を恐れず、進化をやめないBBCのことをどうぞよろしくお願いします!
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Taiami