コーヒーの香りを最大限に楽しむにはやはり焼き立て・挽きたての豆を使うのが一番でしょう。
しかしそんな私も何かとバタバタしがちな日常で、実はコーヒーは粉で買っています。
理由はコーヒーを飲むまでの手順がとにかく早くて簡単だから。毎日大好きなコーヒーを飲み続けたいから、手間よりも続けるために簡単な方を選んでいるという感じです。
粉で買うことのデメリットといえば、劣化が早いこと。コーヒーは生鮮食品だとよく言われますが、豆は挽いた瞬間から劣化が始まります。
焙煎したコーヒー豆に含まれていた二酸化炭素は、粉にすると最大で70%が失われるそうです。その二酸化炭素は、コーヒーの劣化要因である水分や酸素から守ってくれているのですが、粉にするとその効果は短時間でなくなってしまいます。その際、コーヒーの香りの成分も一緒に逃げていってしまいます。
数日間で飲み切るならそこまでの影響はありませんが、やはり香りを楽しみたい場合は挽きたてというのが最低限のハードルのようです。
豆で買うのが大事なことがわかったら、家で飲むときはそれをどうするのか?
もちろんご存知の方も多くいると思いますが、豆を挽くのにコーヒーミル(コーヒーグラインダー)というものを使うわけです。これでコーヒーを淹れる直前、お湯でも沸かしている間に挽く。
コーヒーミルには種類があって、豆を挽くところの構造からロールグラインダー、フラットカッター、コニカルカッターブレードグラインダーの四つに分けられます。
それぞれの個体によって差があるので、自分に合ったミルを選ぶ必要があります。
予算、使用頻度、粉砕速度、設置スペース、手入れのしやすさ、安定性。
私は往年のコーヒーラヴァーである祖父から譲り受けた、ダイヤル式のコーヒーミルを持っているのですが、優雅にキコキコ音と香りを楽しめていたのはぶっちゃけはるか昔。今は全く時間が持てず、最初に言った通り粉です。
専門店で使われていたかっこいい臼式のもの、小さな設置スペースに置けるフラットカッター、ちょっと値段はするけど微粉のつかない最新式のミル…。
何か今のスタイルに合ったいいミルが欲しくなってきたこの頃です。
参考 コーヒー「こつ」の化学 石脇智広
-46-
Chihiro Taiami