Coffee Column
ブラウンブックスカフェのコーヒーにまつわる日々のコラム

Yoko Hoshikawa
ブラウンブックスカフェ/ブラウンブックスヴィンテージ店主。
コーヒーとHip Hop を愛する2児の母。札幌在住。
Chihiro Taiami
妖怪が大好きな円山店時代の元スタッフ。
4人の子供の育児の合間に当店のコラムを担当している。道南在住。

年: 2016年

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    10年を振り返って⑥最終章
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    2016.06.03
ダラダラと書いてすいません(-。-; 10周年記念に書き始めたブログもこれで最終章です!   お店って、店員、お客さん、商品、サービス、空間等で成り立っていてその統一感が大事で、それらが一致している店がいい店だと思う。 カフェはコーヒープラス店の雰囲気が大事で、雰囲気がいい、とは決してインテリアがお洒落とかそういう事ではなく、偶然の一致が醸し出す空気みたいなものが重要だと思うんです。(意味わかんない…?) 移転直後はひとつ一つがちぐはぐで、しっくりこなくて、しばらく心にぽっかり穴が空いていて円山店の事を引きずっていた。早く自分の店にしなければと焦ったが、何をどうしたら良いのか、方向性もわからないまま日々必死で、結局は時間しか解決できなかった。毎日営業していく事で、あっ!やっとブラウンブックスカフェになった!と感じた日があった。 店を任せられる体阿弥さんが結婚&引っ越ししてしまう前に、やれる事は挑戦しておこうと思い、ケーキも焼けないのに西野に2店舗目のケーキ屋をオープンし、同じ年の2013年に3店舗目の古本&雑貨屋を4プラにオープン。笑 7〜8人で3店舗、3業種(飲食店、洋菓子店、雑貨店)をまわしていたが完全にキャパを超えていた。 去年秋、西野店閉店。 店は簡単に開けるけど、閉めるのは本当に辛い。でも失敗ほど学ぶ事は多い。空っぽの店。1秒で泣ける写真、あえて載せさせて下さい。(円山店2枚、西野店2枚) 海外買付、年1回を年2〜3回に増やしたい!と店舗を増やしたら逆に1回も行けなくなり、そのうちパスポートも失効、家も引き払い、車も失った。笑 諦めかけていましたが、絶対できるから!と励まされ、今年に入りパスポートをゲット、来月チケット買って、国際免許申請して、秋にアメリカ買付いってきます!!! 過去には日本の老舗の喫茶店とフランスやアメリカに行ってカフェの文化を学びました。 カフェとは人が集まる場所。それには惹きつける魅力ある店にしなければならない。それには魅力あるスタッフを惹きつける店主でなければならない。日々成長し器の大きな人間、経営者にならなければならない。そこを目指してこれからも頑張ります。 今年2月に毎日来ていた常連さんが亡くなりました。最後、外に出た日、這って3階のうちの店に上ってきて、みんなによろしくと、言った。 亡くなった後、たまたま息子さんと会えて、偲ぶ会を葬儀所ではなくうちの店でやる事になった。それは本当に光栄で、やっと私もカフェの使命を果たせた喜びと悲しみとプレッシャーで震えた。当日30人以上が集まり常連さんがいつも飲んでいたフレンチを皆で飲んだ。↓ 円山店を惜しんで頂いたT様、マンション購入の際、リフォームしてブラウンブックスカフェ円山店を再現した小さな小さなドアをつけた秘密の「ブラウンルーム」という部屋を自宅を工事して作ってくれました。↓ 体阿弥さんが普段撮りためていたデジカメの写真で写真展も開催した↓ 場所は札幌ではなく、あの「アルテピアッツァ美唄」と「小樽文学館」にて。最高の場所でした! 常連さんも円山店も失った訳じゃなくずっと消える事なく心に常に存在しています。 色々ありましたがお客様はもちろん、スタッフ、元スタッフ、仕入先、経営者の先輩&仲間達に本当に感謝!10年ありがとうございます!  そして長々と読んで頂いた方もありがとうございます! うちみたいな小さな店は本当にあっさり簡単に潰れてしまいますので、飽きずに11年目もどうぞよろしくお願いします!!!(^o^) 店主 星川 洋子 photograph by Ryu
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    次回すぐ書きます!
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    2016.05.26
ブラウンブックスカフ4pla店で働き始めて もうすぐ3度目の夏がやってきます。 今年はものすごく暑い夏になると誰かから聞きました。 それならば いっそ、気持ち悪くなるくらいべったり暑苦しい話しでもしてみたい、そんな気分です。 適度に休み休み、読んで下さい。 image 4plaの夏は熱い! 例年熱い!! しかし今年は、例年になく早々と冷房が効いています!!! 奇跡だ……。 しかし当店は間接照明多すぎて、冷房だけでは不十分。 扇風機を独自でブンッブンッ!狂ったように回しております。 image *こちらの扇風機は売り物です。 加湿器さえも既に3台常備。 まるで要塞です。笑。 何から身を守っているのか 本当に守られているのか もう、わかりません。 常に風を浴び続け 常に汗を流し続け 今後の備えに予想されるのは 酸素マスクでしょうか。笑。 しかし、慣れとは怖いものです。 汗ひとつかかない日 扇風機を回さなくてもいい日 そんな快適な日は、仕事をした気がしません。 全然しません。 ま~、全然ないんですけど。そんな日。 ここまで 書いておいて本当に書きたい事が 違った事に気がつきました。苦笑。 次回書くのは、本当に暑苦しい話です。 すぐ!すぐに!できるだけすぐ書きます! 今年も熱い夏がやって来ます!
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    10年を振り返って⑤
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    2016.05.18
2011年秋、円山の店の隣のアパート取り壊しにより、このままの形態ではこれ以上営業できなくなるという事になりました。絶対出たくないと、泣いて叫んで暴れてわめいても、どうにもすることができず、ただ受け入れなければならない。この建物から卒業するべき時がきたのです。 最初は正直、ブラウンブックスカフェは建物の魅力しかなかったと思う。でも改装期間入れて約5年、様々な自然災害とか貧乏期間を工夫し乗り越え(笑)、そのパワーみたいなものは、この建物では収まりきれない程だったのかもしれない。 お店は、目に見える建物や空間だけが全てじゃない。そう気づくまでなかなか諦めがつかなかった。 これ以上の物件はない。廃業も頭によぎりながら、お先真っ暗で、ショックを受けていた。 ちょうどその時、自分が客として通っていた(というより好きすぎて行かないようにしていたぐらいの)、はろー書店という洋書とアンティーク雑貨の店が閉店と聞き、それもショックで最後に買い物しに行った時、その後そのまま、うちが入ると言う約束をしてしまたった。笑 直感で、円山の物件を超える店はここしかないと思ったから。 そして、読めもしないチェコとかハンガリーとか世界各国の古書、今思うとアンティークだかなんだか知らない雑貨等、ダンボール数十箱分の15年分のはろー書店の在庫もそのまま買い取った。笑  そうして新店舗の改装を始めた。 今度の改装は20坪!円山の倍の広さ。しかもすでに買い取った大量の荷物がある中での改装は本当に大変で、いちいち荷物を全部よけながら、はろー書店のイメージを払拭した方が良いのだろうか、円山のあの建物を出たら、ブラウンブックスカフェらしさって一体何なんだろうか。はろー書店、円山の店を超えるより素晴らしい店にしなくてはいけない…素晴らしい店って一体何なんだろう…と悩みまくってしばらく1人で別世界にいた。笑 体阿弥さんは、「あーまた店長、いま別世界にいるなー」と察してくれたに違いない。 毎日改装しながら、マックのハンバーガーと、みよしののカレー餃子ばかり食べいた。(だいたいお店オープン前は栄養不足で味覚障害になる。苦笑) まみこさん(お客さん)、けんちゃん(お客さんの息子)、石本さん(友人)が毎日のように手伝いに来てくれた。 同級生の石本さんはこれを期にスタッフとして今も働いてくれている。涙 壁の色はまみこさんが提案してくれた”新しい芽の色”グリーン。ペンキを混ぜて色を出した。その後、西野店も4プラ店もこのグリーンがうちのカラーとなった。 円山の店はもしかしたら続けられる可能性も10%ぐらい残っていたので閉めないで体阿弥さんに任せて、とりあえず2012年1月5日新店舗オープン!!! そしてその1カ月後、やはり円山店はもう続けられないという結果になり、諦めた。 お客さんも皆ショックを受けていて、さらにまたそれが辛かった。 最終営業終了後のあの全てを失った喪失感は今でも忘れない。店中の傷全部に思い出があり愛おしくて、離れたくなくて、家がどこかもわからなくなって一晩中泣きながら車で徘徊したな。笑 私の商売人生の中で円山店の移転は本当に大きな出来事でした。社会人経験がない私にとって多くの事を学ばせてもらった店。 失ったのではなく、約5年あんな素敵な建物で店をやらせてもらった事に今は本当に感謝している。 つづく
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    GW
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    2016.05.03
4pla店から久しぶりのブログです。 GWはいいですね。 遠方から来る方々と久しぶりに会えますし 田舎出身の私には 田舎言葉を聞いて(たとえ聞き取れなくても) なんだか、ホッとします。 今日も函館や根室、網走、斜里から 皆さん遊びに来てました。 ありがたい、あぁ ありがたいです。 有難いと言いますと 只今、催事の真っ最中っ!!! 7F  4plaホ-ルでは 4/29(金)~5/8(日)まで 「Deadstock Market 2」 image image image image image 去年に引き続き、すごい賑わいです!!! 安い! 質もいい! 安い! 買いました。 (あんまり物持ってないので) 7F 下りエスカレーター前では 5/1(日)~8(日)まで 「BBCの!!!絵本フェア!!!」 image image image この絵本フェアにあたっての 個人的なひそやかな想いについては また いつかのブログで書きたいと思います。 (たいした話もないんですけど。笑) そして、急遽飛び入り参加の 「リンゴ箱」!!! image また、あっという間になくなりそう……。 また軍手ありますので、使って下さい。笑 image 店内にも 人気のアイテムが目白押しです! と、 ついつい告知ばかりになってしまって つまんな~い! って 言われそう。 はい、私もそう思います。 なので 次回はさらにつまんない話 書きます。 皆さん よい休日を♪
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    10年を振り返って④
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    2016.04.27
このペースだと連載終わらなそうなので巻いていきます!笑 冬。円山ではとにかく冬が辛かった。 どうしてこんな場所で店なんかやっているんだろうと、ハゲるくらい悩み、考え、しまいに除雪機をプレゼントするという詐欺師(?)にも騙されかけた。苦笑 空腹で雪かきしすぎて吐いたりもしていた。笑    寒いし、お客さんが来ないし、暖房費はめちゃくちゃかかるし、その上、毎晩の水落とし作業。一箇所でも忘れたら、次の日凍結で3万くらい飛ぶし、本当に毎日不安でしかなかった。 1年目は知らない事だらけ。ツララなんて自然に落ちるだろうと放置してたらだんだん内側に丸まって窓ガラスにぶっ刺さって、朝来たらガラスが割れていたり、水落とし失敗して水浸しになったり、北国で商売していく過酷さを学んだ。          そんな時2009年、突然やってきたスタッフ体阿弥(タイアミ)さん。   彼女は、本気で仕事してみたいんです。夢中に何かをやってみたいんです。何かのプロになりたいんです。でもそれが何なのか今はまだわからないんです。ここに面接来る前は悩んでて仏壇屋にも面接に行きました。あ、ちなみにコーヒーは飲めません。初めて会った時そう言っていた。 正直、若くて責任感なさそうに見えたから、全然期待はしていなかったが、それは運命の出会いだった。   不安で嫌で仕方なかった雪かきも、仕事で汗かくなんて幸せですね!!!と嫌な顔一つ見せず張り切ってやってくれた。   店内も外みたいで寒いけど、空気がキレイ!!!朝来たら爽やかな気持ちで掃除が楽しい!と、どんな仕事でも誰も見ていないのにすごく楽しそうにやってくれた。(2日酔いの日以外は) お客さんにコーヒー美味しいと言われるのは嬉しい!接客は楽しい!と、とにかくいつも笑顔でポジティブ。 本気でぶつかり合う事もあったけど、だいたい毎日顔合わせて、くだらない話ばかりしてた。 大物オーラ出してる人なんて偽物だよね、本当にすごい人はオーラすら隠してるよねとか、嘘をつかず本気で店をやっていくという事、好きな事して食べていくという事、ブラウンブックスカフェが目指している方向性、接客とか、珈琲とは、自分達が読んだ本について…etc、とにかく真剣に、本当にバカみたいに毎日熱く語り合っていた。 デメリットばかりの不便な店に不安そうにやってきたお客さんを必ず大ファンにさせた。私が、そしてお客さんが求める”ブラウンブックスカフェの店員”をプロフェッショナルとして4年間を全うした体阿弥さん。 夏は、カフェテラス席を作ろう!と、庭の開墾から始めた。汗だくで大きな石を運んでずらして草むしったり。まるで奴隷のような仕事内容も一緒にやれば楽しかった。お客さんも皆通りがかりに手伝っくれた。動物も虫も大好きな体阿弥さん。(私は両方苦手)       夏は店内にハチが大量発生した時期も、「あ、刺さないから大丈夫ですよー」って普通に案内して、お客さんも怖がりながらもコーヒーを飲んでいってくれたり。笑 そうしているうちに春夏秋冬と季節がすぎ、私も店に対して徐々に不安が薄れてきこの建物と共存していく季節ごとのコツを習得していった。 どんな事があってどんなに大雪で猛吹雪でお客さんが来なくても店は1日も休まなかった。当たり前だが1番大事な事だと思う。 ハプニングが起これば起こるほど、乗り越えた時の感動と達成感で、どんどんこの建物が好きになり、一生おばあちゃんになってもここで店をやっていたいと思っていた。     それと同時に矛盾するようだけど、まだまだ沢山失敗して挑戦してみたい、海外買い付けの夢は諦めるのか、とも考えていて自分の中で少し葛藤していた。    そうして気がついたら5回目の冬を乗り越えようとしていた時、もしかするともうこれ以上ここで店は続けられなくなる、という話が出てきた。 つづく