今年の夏も暑かったですね。
アイスコーヒーがぶ飲みでした。タンブラーに入れて、子どもたちと虫取りに走りました。コーヒーってこんなに持って走るものだっけ。さてさて、今年の夏はこれを書かなきゃ終われません。それは、この夏出会った昆虫たちのことです。
虫っていうのは成長に関わる一人の先生じゃないかというくらい、色々なことを教えてくれました。
深夜の虫カゴの中、ブンブン羽音を立てながらメスを追い回すオスのカブトムシの執念はこわいくらいだったし、前日の夜、一緒に昆虫ゼリーを食べていた対のクワガタが、朝起きるとメスがオスのクワに挟まれて半分首がとれた状態になっていたり。それでもひっくり返って、わずかに手足を動かしながらしばらく生きている。死んだメスは土に埋めたのですが、翌日アリが列になり、カラダを分解して運んでいきました。
カマキリが首を振りながら可愛いらしいく無糖ヨーグルトを食べていたと思ったら、トンボをカマに挟んで頭からむしゃむしゃと食べる、本来の姿も見せてくれました。
以前はハチをみると攻撃されるのではないかと思ったけど、そうっとしていればこわい存在ではなく、野菜や果物が果実をつけるための受粉のお手伝いをしてくれていることもわかりました。
あんなにちっちゃくてパリッと割れてしまいそうな殻のカタツムリが越冬し、三年かけて大人になることにもびっくりしました。ダンゴムシは前と後ろ半分ずつ脱皮すると絵本で読んだけれど、まるっと全身脱いだ皮を発見することもできました。
香川照之の昆虫番組を見て、オニヤンマのオスはメスを探して川の周りをぐるぐる回っているから必ず同じ場所に帰ってくるはずだと、虫あみを握りしめ、逃したオニヤンマを待つ息子の姿がありました。
アゲハの幼虫は、誰がこんな色にしたのかっていうくらいとても鮮やかな緑と黒とオレンジの模様。サナギになる時は、その綺麗な柄の皮が、クシャクシャに脱いだ靴下のように、サナギの先っぽにぶさらがっていました。殻から出てはこれたものの、羽が縮れたまま、広げられなかった子もいました。
生きるパワーはすごい!
彼らには嗜好品なんていらない。短い命をパッと輝かせて生きている。人間はだらだらと生き、コーヒーを飲み、泣いたり笑ったり、虫に比べればたっぷり時間がある。だけどその豊かな感情と、時間があるからこそ、ただコーヒーを飲むということに幸せを感じることができるのかもしれません。だらだらとマグカップを片手に虫カゴを覗いている0時。
来年はどんな夏になるだろう。
chai
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