- title
10年を振り返って② - date
2016年03月23日
円山のあの物件と出会ったいきさつ。
19歳の時、無印良品のバイト先で出会い、生意気だった私を可愛がってくれたひとまわり上のIさん。実家が東京だったので、お店やりたいなら案内してあげる、と実家に泊まらせてもらい、自由が丘や代官山や吉祥寺の雑貨屋、カフェ、本屋を巡った。25歳までにはお店をやろうと決めていた私にとっては衝撃的だった。
そんなIさんの旦那さんが、2007年に土地を買い、古い納屋があるからコーヒー屋をやらないか?と誘われた。
見に行くとそこは札幌一人気で有名な喫茶的「森彦」の真向かい。しかも車一台ギリギリ通れるかの細い道、そこを更に曲がったじゃり道の突き当りにその建物はぽつんと建っていた。
「はぁ?なにここ!?」即断った。
こんなところで商売成り立つわけがない!しかもそこは1階が茶室をイメージした「月庵」というギャラリー、2階はデザイナーさんの事務所だった。
それでもIさんの奥さんは、何度もさそってきた。しかも家賃格安でいいよ、チャンスだよ、将来のバネとして何年かでもやってみれば?と言ってきた。
確かに安い。安いけど家賃払えるほど売り上げがたつのか。悩んだが、実際、貯金できない私は所持金10万しかなかったので選択の余地がなかった。
周りは大反対したが、何か新しい事やる時ってだいたい周りは反対するもんだから無視。笑 自分がどれほどやりたいか試されてるんだと思ってる。
やる!と決意し、住む場所も隣のアパートの一部屋を1万円で貸してくれる事になったので、まずは自分の部屋を改装。ど素人が、誰かに聞いたり手伝ってもらいながら壁をぶち抜き真っ白に塗装し、床にベニアを張り、引っ越した。
引っ越したら、、、天井はネズミの走る音…。下の方はいつも歌っている…太鼓も結構上手。笑
湯沸し器もなくシャワーも壊れいて、水しかでない、殺人現場っぽい風呂場だけは費用がなくそのまんま。
多分2,3カ月ぐらい、自宅改装、引っ越し、店改装、豆配達、焙煎元でアルバイト。本当に過酷な日々だった。笑
店も家も色々問題だらけ。でも持ち前のポジティブさで、風呂なんてなくても水ぶっかければいいさ!店に冷蔵庫置く場所ない?外におけばいいや!ストーブないけど厚着すれば大丈夫!!!
自分でテーマを決めた。
「不可能を可能にする」笑
本気で思っていた。私ならできる!と。
入り口のドアもストーブもないまま2007年9月20日OPEN。
徹夜でフラフラ、朝から雨。土砂降りだった。開店できた達成感よりも、疲れすぎていて超ネガティブになっていた。この先やっていけるのか、家賃払えるのか、ノリで(!?)頼んでしまった職人さんによる桜の木に珈琲を染めして後払いにしてもらった40万の什器代は払えるのか、不安の中、次々届く花…。やばい。やばい事を始めてしまった。
やっと念願のゼロから自分で作り上げた店がオープン、それはゴールではなくスタートだった。好きな事をしているから、誰のせいにもできない、言い訳も後戻りもできない、過酷な日々のスタートでしかなかった。
もう顔が引きつっている↑笑
before
after
そして、いざお湯がでない風呂で、30°C超えた日に勇気をふりしぼって懺悔みたいに水ぶっかけたら「ギィヤァーーーー!!!!!!!!」と泣き叫び、家はあっさり1か月で断念。どこかに引っ越したかは覚えてない。笑
つづく