Coffee Column
コーヒーコラム
ブラウンブックスカフェのコーヒーにまつわる日々のコラム

Yoko Hoshikawa
ブラウンブックスカフェ/ブラウンブックスヴィンテージ店主。
コーヒーとHip Hop を愛する2児の母。札幌在住。
Chihiro Taiami
妖怪が大好きな円山店時代の元スタッフ。
4人の子供の育児の合間に当店のコラムを担当している。道南在住。

年: 2022年

  • title
    屋根裏にコーヒーのにおいは流れる
  • date
    2022年02月18日

きしむ階段を3階まで登ると、店内のところどころではらくがきねずみたちがお出迎え。

開店し、コーヒーのにおいが染みつくまでに半年がかかったといいます。

ここで過ごした十年間はどんなだったでしょうか?

まるで屋根裏部屋のような本棚に柱、ぼんやりとした照明、古い本や雑貨たち。ほっとしたり、いいアイディアが浮かんだり、友人との他愛ないおしゃべりに癒されたり。コーヒーのにおいと共に、ひとときをこの空間で過ごした人たちが、またそれぞれの日常に帰っていきました。

一から作る大変さ、続けていく大変さを喜びに変えてくれるパワーは、かけがえのない日常の中でふとこのお店を思い出し、足を運んでくださるお客様に他なりません。

どこでも、新しい場所でも、何度でも。

コーヒーへの愛と、夢を追う気持ちは一緒です。

次はどんなわくわくが待っているのかな?

店主とスタッフの汗と涙と鼻水を綺麗に拭ってから笑顔でお迎えします。新店舗開店まであと少し、どうぞ楽しみにお待ちください。

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chai

  • title
    4プラ
  • date
    2022年02月05日
はじめて見た4プラはまぶしくキラキラ輝いて見えた。
中学生の頃、はじめて入った4プラで外国人にウインクされて、都会の刺激を受けた気がした。
自由市場でゴツいシルバーブレスレットを買って、部屋にしばらく飾って、黒くなっては磨き、結局一度も身に付けずに大人になってしまった。
エスカレーターで下るとコ-ヒ-屋さんが右手に見え、ニッコリした顔の小柄な女性がブルーマウンテンを量り売りしていた。
その様子があんまりおいしそうだから、
おもわず私も同じ豆を買ってしまった。
お客で行ったのは、その一回だけ。
もう少し大人になってから、その女性と一緒に働き、泣き笑い、母の様な上司にも出会い、公私にわたって付き合いをつづけている。
 
そして、また、出会った店。
平凡で当たり障りなく生きてきた私には、毎日が冒険で毎日が怖く毎日がばかみたいに楽しかった。
毎日がはじめて知る自分で
毎日がはじめて知る人達ばかりだった。
毎日が暑くて、熱かった。
 
挨拶するのも、弱音をはくのも、ふざけるのも、怒るのも、驚くのも、
4プラだった。
4プラはここにあった。
 
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mayumi