- title
from… - date
2009年12月25日
年: 2009年
- title
恥っかきのポール - date
2009年12月21日
トーテムポール。
みなさんご存じかと思いますが、動物や人間の表情がコーラージュされてつながりあった柱状の木の彫刻です。
北米大陸の先住民が彫っているもので、柱の一番うえはトーテムといって一族と最も関係の深い神獣像がのっており、「表札」の役割を果たします。
また高いトーテムポールの上に棺を取りつけて、遺体を収め墓柱としたり、族長になったときや結婚式などの、一人前になった証として行うポトラッチという大宴会の回数も示されています。
さて、そんなトーテムポールですが実は中にはとびきり変わったタイプ、「シェームポール」つまり「恥柱」と呼ばれるものもあります。
一家に不始末をしでかした人物が出ると、恥っかきのポールを立てなければなりません。このポールに彫刻された人物や動物は、みんな情けない顔をし、涙をポロポロこぼしているので、すぐに分かります。目から流れる涙も、よく見ると一滴一滴が人の形になっていたり、涙の中に人格や精霊が宿っていることを表現しています。
こんなのが自分の家の前にあると思うと切ないですね~遠くからでもばればれです。
でもなんだか応援したくなる表情。
人間から動物へ、動物から神へと、いつでも変身することができるという北米先住民の信心が表わされ、そのうえ表札にお墓、罪や名誉の公表という役目まで果たすトーテムポール。
こんなに鮮明に家を語ってしまう表札は、日本にはないですよね。
よし、お正月実家に帰ったら、今年の恥をきれいに流すため表札を磨こう!
参考文献:世界妖怪協会公認雑誌「怪」
chihiro